「可変印刷」「イメージバリアブル」とは
2016年7月4日
「可変印刷」と聞いても、どんなものかピンと来ない。と、いう方は結構いると思います。
まず、「可変」という言葉は、「変更できる。変えることができる。」という意味を持っています。それを利用した印刷ですので、「変更できる印刷」「変えることができる印刷」ということになります。
では、何を変えることができるのか?
印刷物なので、用紙の種類や色、形、文面、イラスト、写真など印刷物を作る際に必要なものがいろいろ考えられますが、ここでいう可変印刷は色や文面、イラスト、写真などの「印刷されている内容」の変更ができる印刷ということになります。
例えば、可変印刷でもっとも分かり易いのが「宛名印刷」です。
以前、買い物をしたことのある店舗からDMやクーポンが届いたことや免許の更新はがき、カードの明細書などが、ご自宅に届くことがあるかと思います。それらに記載されている自分の住所(宛名)を見ると、恐らくほとんどは手書きではなく、印刷、印字されたものではないでしょうか。
郵便番号や住所、氏名、場合によっては識別番号などが記載されています。
こういったDMなどを一度に大量に発送する場合に可変印刷は便利になります。
10件程度ならまだしも、100件、1000件となると手書きでは対応しきれなくなります。
そこで、顧客に住所などの情報を事前に登録していただいて、顧客リストを作成し顧客の誕生日や店舗のキャンペーンなどの際に、登録されたリストを利用し宛名印刷を行いDMを発送すれば、無駄な時間やコストを削減することができます。
また、もっとも単純な可変印刷になると、「ナンバリング」があります。
店舗で渡したり、荷物に同梱したりするクーポン券やサービス券にシリアルナンバーを入れたり、コンサートなどのチケットに座席番号を入れたりと用途は様々ありますが、数字や英字を組み合わせたナンバーを可変印刷し同一の印刷物にそれぞれ異なる意味を持たせることや、使用されたクーポンやチケットの管理ができるため、使い方によっては効果測定などができる面もあります。
その他にも、可変印刷は
賞状や認定証の印刷・・・賞の名称や受賞者名の可変、資格名や資格取得者名、日付、文面などの変更
社員証、ネームプレートの印刷・・・会社名や部署、役職名、氏名、社員番号などの変更
名刺印刷・・・氏名や部署、役職名、電話番号、社員番号、メールアドレスなどの変更
と、様々な用途で使用することができます。
次に、「イメージバリアブル」とは、なんなのか?
可変という言葉を英語に置き換えると「バリアブル」になります。
ネットなどで検索をかけると可変印刷のことを「バリアブル印刷」と表現している場合が多いかと思います。
では、「イメージバリアブル」はイメージを可変すると置き換えることができますが、ここでいうイメージとは「画像」や「写真」、「イラスト」などを意味し、イメージバリアブルは、画像や写真などの可変印刷ということになります。
例えば、大量の社員証などを作成する場合は普通の可変印刷ですと、文字情報の可変のみですが、イメージバリアブルを使用すれば、それぞれの顔写真を差し換えて作成することができます。
また、販促用のDMを送る場合でもイメージバリアブルを使用すれば、男女や年齢などの違いで、掲載する商品写真やイラストなど差し換えて印刷することが可能です。
さらにイメージバリアブルを使用すると下記の画像のように画像や写真のなかに文字など溶かし込むことができます。
このように、「可変印刷」や「イメージバリアブル」は、コスト削減や販促力の向上などを目的として、多品種、小ロットの印刷に利用できる技術が多くあります。
次回からは、より具体的な場面や用途を紹介していきたいと思います。